イコライジングを突き詰めてみる。
記事公開日: 2010年8月19日 / 最終更新日: 2014年4月15日
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イコライジングはギタリストを最後まで悩ませる問題です。
音作りは一応「ここをいじればこうなるだろう」をはっきりさせておくとやりやすいはず。
なんとなく雰囲気で調整するのもいいんですが、ここらで一つまとめてみましょう。
*注意:以下に記述する内容がパーフェクトだとは限りませんのであしからず。。
▼100Hz以下▼ ☆気持ちいい低音感までブースト上げすぎ注意
音圧感と、腹に来る音を調整。上げすぎは禁物なポイント。
6dbもブーストするとブーミーになってしまう。
ポイント的には30Hz~80Hzあたりをほんの少しいじるくらいのレベル。
適度な調整で音に固まり感が出るイメージです。
▼200Hz▼ ☆開放弦がぼやけない程度にブースト
パワーコードをガシガシ弾くならこの帯域を微調整。
100Hz以下と同様上げすぎるとブーミーな印象、かつ音のまとまりが無くなります。
▼300Hz▼ ☆ややカット傾向
後述の400Hzと同じくギターではもっとも美味しい帯域。
粘り感や、音ヌケにもかかわるポイント。
最近のモダンな音作りではカットよりもブースト傾向。
300Hzをややカットして400Hzをブーストするのもおいしい。
ウォームな音にしたい場合は大胆にブーストするとその違いが良く分かる。
▼400Hz▼ ☆300Hzでカットしたら補うようにブースト
300Hzと同様にギターでは絶対いじりたい帯域。
カットでドンシャリな音ヌケが悪くなる音に、
ブーストでは音がモコつく印象に。
自分が感じる最高のポイントに合わせるのがなかなか難しい。
音の芯にもかかわるポイントなので、
低音域をいくら上げても、300Hz~400Hzあたりの調整ができていなければ、
腰砕けの音になってしまう。
▼600Hz▼ ☆400Hzでのブースト量に合わせてブースト
個人的にここの帯域が調整できるとかなり音作りの幅が広がると思ってます。
638Hzあたりを300~400Hzと合わせて調整すると音の芯がハッキリして、
尚且つ腹に来るヘヴィサウンドが作れます。
私はイコライザーを使うときはこの帯域をややブースト傾向で。
▼800Hz▼ ☆600Hzのブースト量よりやや大きめにブースト
あまいリードサウンドのときはここをグッと上げてやるといいと思います。
メタルなサウンドを操るならここも押さえておきたいポイント。
300Hz~800Hzまでが音抜けにも直接かかわってきます。
▼1KHz▼ ☆ここはカット傾向でもいい
上げすぎると高音がシャリシャリ、下げるとローとミッドが目立つ。
全体の印象で微調整する必要が出てくる帯域。
最初はヘタにいじらずフラットかややカット傾向で2KHz以上をいじる方が楽しいかもです。
▼2KHz▼ ☆高音のギラツキが出はじめるまでブースト
基本的にはお好みで、という帯域。
ガッツある音にするならややブースト。
カットしてもいいけど、その場合は音作りが結構複雑に。
1KHzをいじらない場合はこの帯域は気持ちブーストがいいと思います。
▼3KHz▼ ☆上げすぎ注意聴き疲れの要因はここから
3KHz~4KHzは聴き疲れの要因ともなってくるポイント。
またヴォーカルとの兼ね合いでも難しい帯域。
基本的にはアタックの感じと、音の存在感がここまでで満足いっていれば
触らない方がいいかもしれません。
▼4KHz▼ ☆3KHz同様の扱いで
音のギラツキやブライト感、アタックの強さなんかを微調整。
基本的にはあんまり触らないでもいいと思ってます。
▼5KHz~8KHz▼ ☆プレゼンスの役割はだいたいここ
所謂「高音」とはここから。ブーストすると音抜けがよくなります。
低音やミドルとの兼ね合いでも印象がやや変わりますが、
基本的には多めにブーストしてあげる方向でいいと思います。
これ以降の帯域はそうそういじることがないと思います。
とまぁこんな感じでしょうか。
個人差は当然あると思いますが、イコライジングはできるだけなだらかな曲線を
描くように調整してやるといいと思います。
本来ギターなんかでは「カットする方向で」音作りをするのが一番です。
出すぎているところを削る、というイメージでやると
自分の出したい音へ直ぐにたどり着けるはずです。
アンプによってもいじれる帯域が違いますが、
美味しいポイントは必ずあります。
一度にいじろうとせず、少しずつ時間をかけて音作りしてみてはいかがでしょうか。